5月21日(土)
熊日夕刊に出稿した一筆です。
内容は少し写真に併せていじっていますが・・・。
『有明海の桜鯛』
有明海の桜鯛の季節も終わりを迎えようとしています。
真鯛は真鯛でも
3月から5月くらいにかけて
産卵前に有明海に昇ってくる桜鯛。
魚体は綺麗な桜色。
眼の上には鮮やかなブルーシャドウが浮かんでいて
春らしいとても綺麗な姿をしています。
そして、天然鯛の甘味のある味わいは格別です。
山女や鮎の解禁と一緒で、
太公望にとっては待ちに待った春の風物詩。
私も4月上旬に狙いにいきました。
そこも桜鯛狙いの魅力の一つ。
喰わせも難しく、
仕掛けを変えるなど思考錯誤の連続。
私にとっては
花見よりも桜鯛とのご対面が毎年の春の始まりといった感じです。
今年もご対面は果たせました。
感謝、感謝ですね。
次は夏でキスですね~。
ところで、
お世話になった湯島の船頭さんは
「最近は魚の動きが読めんこともある」と話します。
獲れる魚の時期がずれたり、
獲れるはずの魚が獲れなかったり。
桜鯛も以前はもっと釣れていたそうです。
川をマグロがのぼったりと珍事も散発。
地球温暖化の影響で
生息域の変化や天然資源の減少に繋がっているなど考えも様々ですが、
海の人達は海の変化を肌で感じているようです。
そんな財産を守るのは恩恵を受けている私達の役目。
地震や水害など
成す術のない辛い現実や苦難を突きつけてくることもありますが、
最後は自然に感謝することで
何かを守ることができるのかもしれない・・・。
こんな時ですが
自然との共存共栄は
熊本の使命の一つのような気がしています。